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第六章 特別で大切なもの 第二話

Auteur: 夏目若葉
last update Date de publication: 2025-04-18 08:56:52

「あ、紹介するよ。こちら、二階堂(にかいどう)岳。彼もデザイナーなんだ。六年前からアメリカに行っちゃって滅多に帰ってこないから、僕も会うのは久しぶりなんだけど」

 そう紹介された二階堂さんが、私ににっこり微笑んだ。

「初めまして。二階堂です」

「朝日奈……緋雪です」

 自己紹介する声が震えた。

 彼の綺麗な笑顔が、私にその事実を決定づける。

 彼は……きっとあの人だ。

 私が八年前にチャペルで見かけた、名前も知らない綺麗な男性モデル。

 八年ぶりに見た彼はビックリするほど大人になっていて、男の色気がふんだんに振りまかれていた。

 だけど笑った爽やかな顔は、当時のままだ。

 ずっとまた会いたいと思っていた憧れの人に、再び偶然会ってしまった。

 どうしてそれがここで、今日なのだろう。

 そのことが信じられなくて、私は視点が定まらず、挙動不審になってあわてた。

「朝日奈さん?」

「ごめんなさい。なんでもないです」

「そう? えっと、どこまで話したっけ。そうそう、岳とは同じ美大のデザイン科だったんだ。彼のほうが二歳年下だけど。今もカッコイイけど、昔から岳はイケメンで。そう
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